昔は新聞販売店の経営者になるということは富の象徴のようなものでした。
とにかく新聞販売店の経営者は儲かった時代がありました。
繰り返しになりますが儲かった時代が
ありました。
つまりは過去においてです。
今では多くの新聞販売店の経営環境は厳しくなっています。
火の車状態の販売店も少なくないと思います。
ですが、そのようなさなかとても意外なニュース記事を見つけました。
毎日新聞2020/5/10の「新型コロナ 医療用マスク寄贈 三木新聞舗、小豆島中央病院に /香川」という記事です。
記事によると
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、毎日新聞などを扱う三木新聞舗(土庄町)が8日、小豆島中央病院(小豆島町)に医療用のサージカルマスク1万枚を寄贈した。マスクや消毒液の仕入れ販売も手がけており、同新聞舗の三木直人所長は「地元の中核病院がマスク不足に困っていると聞き、役に立ちたいと思った」
新型コロナ 医療用マスク寄贈 三木新聞舗、小豆島中央病院に /香川 | 毎日新聞 (mainichi.jp)
と報じました。
このように記事によると香川県小豆島の土庄町にある三木新聞販売店が、なんと小豆島で最大の病院、小豆島中央病院に医療用のサージカルマスク1万枚を寄贈したというのです。
この医療用のサージカルマスクですが、1枚あたり安く見積もっても50円です。
そのサージカルマスクを1万枚も寄贈したというわけですから、少なくとも50万円以上の寄贈をしたことになります。
従業員の給料を支払うのがやっとという新聞販売店が少なくないなか、驚くべきことです。
それにしてもなぜこの新聞販売店は経営に余力があるのでしょうか。
考えられる事柄としては
・新聞販売以外の事業もこの販売店はてがけており、新聞販売店以外の事業が非常に好調というてんが考えられます。
実際のところ新聞販売店の経営者は他の事業を行ってもよいことになっています。
ところで別に考えられる事柄としては
・地方の新聞販売店の経営は、案外と儲かっているというてんがあります。
地方となると、どうしても都会の新聞販売店よりも、収益の柱の1つ折込チラシは少ないと思われます。
この面では、都会の販売店よりも収益は期待できません。
しかし地方の場合は新聞販売店同士の競合は少なく、顧客に思い切ったサービスを行わなくてもよいのではないかと考えられます。
この顧客との契約を取るためのサービス行為ですが、新聞販売店にとっては非常な負担になっています。
しかも競合エリアにおいては、それを行わなければ他店に客を取られるので、無理してでもやっているのです。
もちろん新聞社もそのための後押しをしてくれますが、しかし新聞販売店もそのために多大の犠牲を払っているのです。
上記の小豆島の新聞販売店ですが、小豆島には新聞販売店は2店舗しかなく、三木新聞補のメインは毎日新聞、もう一店舗のメインは産経新聞となっていますが、小豆島ではこの2店舗でその他の新聞、朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、地元紙の四国新聞を扱っているようです。
しかも三木新聞補は島の東側、もう一店舗は島の西側にありますので、ほとんど競合することがありませんし、とにかくこの2店舗しかないので、2店の経営者同士でよく相談して、サービスの上限などのルールを決めておくこともできます。
なので2店舗ともに共倒れすることなく、儲かっている可能性があります。
それにしても地方の新聞販売店経営、とてもニッチな事業ですが、案外と穴場的な事業なのかもしれません。