最近は何がなんでも大学に行かなければと考える人たちが多くなってきました。
いわゆる学歴社会とも言われていますが、社会でまともな生活をするためには大学には行っておかないといけないというわけです。
なかには親の考えや信条のために大学に行かせてもらえなかったと文句を言う人もいます。
それにしても親が子供に大学に行かせるに、どれだけの犠牲を払っているかわかっているのかとも思いますが。
ところで大学に行かなければ社会でまっとうな生活ができないとか、大成しないというのは真実ではありません。
実際に大学には行ってなくても、事業を起こすなどして大成し、社会に大きな影響を与えている人たちは日本でも少なくありません。
例えば
あの松下幸之助さんも実は大学に行っていません。
松下幸之助といえば、日本を代表する大手電機メーカー、パナソニックの創業者もあり、経営の神様とも言われるほどの、経済界では大きな影響を及ぼした人物です。
今でも事業者たちのなかでは、松下幸之助さんは、2022年に亡くなった稲盛和夫さんと並んで尊敬されている経営者です。
実際、松下幸之助さんは松下政経塾も開設しており、その卒業生は政治にも大きな影響を及ぼしています。
ところで大学に行ってなくても政治に大きな影響を及ぼした人物として
田中角栄さんがいます。
田中角栄さんほど、インパクトのある政治家はあまりいないでしょう。
田中角栄さんが、政治家になり大蔵大臣(現在の財務大臣)になった時に、高学歴集団の大蔵官僚は、田中角栄さんを軽蔑した眼差しで見ていたようですが、やがて彼のずば抜けた仕事ぶりに感心するようになったとも言われています。
最後はお金の問題で、ちょっと残念な終わりかたをしたかもしれませんが、今でも、ずば抜けた政治家としての田中角栄さんを懐かしむ人も少なくないようです。
いずれにしても社会では大学卒という肩書はある程度、通用はしますが、しかしそれですべてが決まるわけではありません。
社会において重要なのは、勤勉な精神や、多くの人に好まれる人格や人柄、自制心そして創造性などです。そのようなことを大学に行って身につくわけではありません。
筆者の親族にも息子や娘を大学に行かせている者が何人かいますが、そのために親はブラック企業のような職場で朝早くから晩遅くまで働いていたり、息子が大卒後就職したものの、けっして幸せとはいえない日々を送っているようなケースもあります。