個人事業者が事業性ローンの繰り上げ返済することのデメリット

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住宅ローンを借りているならば、お金に余裕ができた時に、借金は早く返したいし、余分に金利も払いたくないということから、繰り上げ返済をする方も少ないないと思います。

住宅ローンの場合はそれで良いかもしれません。

また再び住宅ローンを組むつもりがなければ、借金を早く返して金利支払い分も少なくして銀行との関係を解消しても問題はないことでしょう。

Q. 住宅ローンの繰り上げ返済、効果的に行うには? | 住宅購入 | 一般社団法人 全国銀行協会 (zenginkyo.or.jp)

しかし事業者としての大家の場合は事情が異なります。

アパート大家は収益物件を所有している限り、銀行とのパイプをしっかりと持っていることは重要事項です。

というのも収益物件でも、いつ多額の資金が必要となるかのかわからないからです。

例えば大規模改修工事費用、あるいはもしエレベーターのリニューアルが必要になったらどれぐらいの費用がかかるでしょうか。

さらには給水設備、配管などもいずれは老朽化によって交換が必要になります。

そのような時に、必要な資金の幾らかを銀行から融資してもらうことができるとなると安心です。

また相続税対策の視点からも、銀行からの借入金は有効な手段となります。

ということで繰り上げ返済をどんどん行って銀行とのパイプを閉めてしまうのは、あまり賢明なこととはいえないかもしれません。

銀行画像

さらに繰り上げ返済を行うと現金が手元に残りません。

手持ち現金が少ないということは、銀行にとってはあまり好ましいことではありません。

つまりはローン残高が多くあっても手元に現金を多く持っているほうが銀行にとっては優良顧客となるのです。

ということは繰り上げ返済を行って、手元の現金を減らすよりも、繰り上げ返済を行わずに、手元の現金を持ち続けるほうが、銀行とのしっかりとしたパイプを持つことになり賢明な選択になることがあるのです。

しかも優良顧客となれば、銀行にしても他行に持っていかれたくないので、場合によっては金利面で優遇してもらえることがあるかもしれません。

ですから必ずしも繰り上げ返済をすることがアパート事業者にとって得になるわけではないのです。

長い目で見れば、あせって繰り上げ返済をしないほうが、トータルしたらアパート事業者に利することになるのです。

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