最近の大家さんのほとんどはサブリース契約(一括借上)でマンション事業を行っています。
筆者も父からマンションオーナーの地位を受け継ぎましたが、サブリース契約も継承しています。
筆者の父は亡くなる前に大東建託と30年のサブリース契約をしました。
そして大東建託と契約した場合は建物管理は大東建託グループの大東建託パートナーズが行います。
ところでサブリース契約のメリットはなんでしょうか。
幾つかのてんを取り上げてみますと
その1 空き部屋があっても家賃収入が入る。
このメリットが最大かもしれません。
とにかく賃貸マンションの場合は必ずいつか空き部屋が発生します。
しかも近年、空き家率が2割になっておりその割合は増加傾向にあります。
筆者の物件も空き部屋が発生すると、昔と比べてなかなか埋まらないということを実感しています。
しかしサブリース契約のおかげて家賃収入が確保できるのはこの契約の特典ともいえます。(大東建託の新規のサブリース契約者は空き部屋になった場合一定期間、その分の家賃収入がオーナーに入らなくなったと改定、オーナーとっては改悪されたようです)
その2 大手メーカーと契約しているならば入居斡旋力がある。
大手メーカー、積水ハウス、大和ハウス、大東建託といったところでしょう。
とにかくブランド力で、入居率が良い場合もあるようです。
とくに積水のブランド力はすごいと感じており、羨ましく思います。
その3 大手メーカーと契約しているならばスケールメリットの恩恵がある。
体力のある大手メーカーは大家向けのサービスも充実しています。
大東建託グループ管理物件オーナーの筆者もそれは実感しています。
他メーカーにない保証制度、情報誌の充実、インターネットで物件の状況を確認できるサービスなどもあります。
一方、サブリース契約にもデメリットもあります。デメリットをこの記事だけで書ききることはできませんが、可能な範囲であげていきますと・・
・募集家賃、査定家賃、入居家賃の決定権がオーナーには与えられない。
大家にとっての命綱である家賃の決定権は大家ではなくメーカー側にあります。
つまり周辺相場家賃が下がれば、当然、募集家賃そして査定家賃は下げられ、結果として数年ごとに行われる(メーカーによって周期が異なるようですが)大家に支払われる賃料、つまり家賃収入も容赦なく下げられることになります。
メーカーによって多少は異なることもあるようですが、空き部屋リスクを避けるために募集家賃を思い切り下げることもあるかもしれません。
つまりメーカーにすれば空き部屋は事業にとって赤字そのものになってしまうので、なんとしても空き部屋を埋めようとします。
追記:国土交通省もサブリースに関するトラブルについて把握しており様々な対策を取りつつあります。
ただ国土交通省の姿勢はサブリースそのものを否定しているわけではありません。
むしろ物件オーナーの高齢化や賃貸住宅管理の高度化に対応するためには、必要な存在かもしれないというスタンスのようです。
そして物件オーナーとサブリース業者との間でトラブルが生じないように
・物件オーナーは契約内容を注意深く検討する
・サブリース業者はリスクとなる事柄、例えば将来、家賃減額などが生じ得ることなどを、きちんと説明する
などの事が求められているようです。
さらにアパートローンを融資する銀行も、中長期的にアパートにも健全なアパート経営ができるかどうかの検討し、できないのであれば、融資をすべきでないとの方針が金融庁から示されています。
名称未設定-2 (mlit.go.jp)(国土交通省のサブリースについての注意喚起)
コメント