冷徹頑固な新聞販売店の経営者にどう対処するか

シェアする

コロナが流行しても、新聞の朝刊、夕刊の配達と集金という業務をこれまでと変わりなく行っているのが、新聞販売店です。

コロナ流行で変わったことといえば、朝刊に入れる折込チラシの量が激減した時期があったのと、飲食店などに配達していたスポーツ新聞等の新聞購読中止が増えていることぐらいでしょうか。

それで折込チラシによる収入の激減と、スポーツ新聞の配達による収入が多少減少というダメージはあるものの、主力の新聞配達は横ばいで乗り切っている状況で、収入が5割以上激減している業種が数多くあるなかで、健闘している業界ではないかと思われます。

ところでこの新聞販売店には経営者、オーナーがいて、経営者には絶大な権限があります。

この権限には

・従業員の給料をどれぐらいにするかの決定

・従業員にどこで配達や集金をしてもらうのか、その他、折込チラシの業務や営業、事務仕事をだれに、どの程度を行ってもらうかの決定

・従業員の採用についての決定

など、経営者は独裁者かのように物事を行うことができるのです。

ですから従業員の幸不幸は経営者によって大きく左右されることになります。

新聞販売店画像

それでどうしても独裁者である新聞販売店の経営者に、強い不満や憤りをもつ従業員は少なくありません。

その場合は、その従業員は他の新聞販売店に転職するか、仕事を辞めるか、我慢して働き続けるかの選択に迫られます。

ところでなかには経営者に対する憤りが暴発することもあります。

産経新聞2020/5/1の「読売新聞販売店で経営者を襲撃 元従業員の男逮捕 大阪」という記事が掲載されました。

記事によると

1日午後5時15分ごろ、堺市南区桃山台の新聞販売店「読売センター泉北豊田」で、経営者の男性(53)の妻から「男が包丁を持っている」と110番があった。大阪府警南堺署員が駆け付けたところ、男性が枝切りばさみ(全長約50センチ)を持った男ともみ合いになっているのを発見し、男を殺人未遂容疑で現行犯逮捕。男性は軽傷で命に別条はなく、当時販売店内にいた妻(49)にけがはなかった。
同署によると、男はこの販売店で勤務していた増田正和容疑者(44)=同区富蔵。増田容疑者は容疑を認め、「仕事を首にされそうになって腹が立った。殺してやろうと思った」などと供述しているという。
同署は雇用をめぐるトラブルがあったとみて、詳しい状況を調べている。

引用:https://www.sankei.com/west/news/200501/wst2005010038-n1.html(アクセス日2020/5/3)

と報じました。

このように、いくら経営者に憤りを抱いても傷害事件にまで発展することは珍しいのですが、しかし新聞販売店の置かれた状況からすると起こりえないことはありません。

どちらかとえばベテランで高齢の経営者ほど、従業員とのトラブルが少ないように思うのですが、その一方で30~50歳台の若い経営者の場合に、従業員とトラブルになることが多いように思います。

トラブルの要因としては

・給料の減額

・従業員に違法行為がないのにもかかわらず解雇されそうになる

などがあります。

上記のケースの場合は、経営者側が労働基準法に違反している可能性が高いので、労働基準監督署に相談することもできます。

実際のところ新聞販売店も労働基準監督署による調査が入ることがあるのです。

ただこのことを行うと、今後、経営者との関係がぎくしゃくすることになる可能性はあります。

なかには新聞販売店を辞めて裁判所に訴えた元従業員のケースもあります。

もちろん従業員側の不正行為のために解雇になった場合は救いようがありませんが、そうでない場合は、打つ手があるのです。

なかには従業員想いの、善良な経営者もおられ、多少お店の経営が圧迫されても、給料を下げずに頑張っている経営者もおられますが、そのような経営者の下では、従業員も経営者やお店のために頑張ろうとの意欲がわくものです。

一方で、お店の業績の数字を最重要にして、従業員の給料を平然と下げたり、解雇したりする、冷徹で頑固な経営者もいますが、そのような経営者には、労働基準法をしっかりと勉強してもらうためにも、労働基準監督署に相談することもできるでしょう。

しかもそういう経営者にかぎって倫理観や法令順守の精神が大きく欠落している場合も少なくありません。

労働基準監督署 – Wikipedia

新聞の販売店経営 今は儲からないビジネスになってしまった