最近はアメリカでは半導体需要のために株価が上昇しています。
しかし実際のところ株価というのは何がきっかけで急落、ないしは暴落するかは予測ができません。
しかもアメリカの株式が急落すると日本だけでなく世界中の株式が大きく下落していきます。
それでは株価は大家に、つまりは家賃にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
シナリオとしては家賃の上昇があります。
つまりは株価の上昇に比例して家賃も上昇するというわけです。
この考えにも一理あります。
というのも好景気→株価の上昇→物価高→家賃の上昇へとつながっていくからです。
しかし株価と家賃では異なる事柄もあります。
それはなんでしょうか。
それは株価は景気の先行きに敏感に反応するのに対して家賃はそうではないのです。
家賃は景気の先行きに鈍感というのか、反応するのに、かなりのタイムラグがあるのです。
ですから株価が上昇したからといって、家賃もすぐに上昇するわけではありません。
さらに株価が上昇すれば、しばらくすれば必ず家賃が上昇するというシナリオですが、確実に期待できるとかといえば・・残念ながら確実ではありません。
株価は堅調でも、家賃は下がり続けることもあり得ます。
なぜでしょうか。
株価というのは、言ってみれば企業の値段のようなものです。
当然ですが、その企業の提供するサービスの需要が旺盛ならば、その企業は儲かり、株価は上昇します。
それと同じように物件の家賃というのも、その物件の値段のようなものですが、入居者需要が旺盛であるならば、家賃は上がりますが、そうでなければ下がります。
つまりは株価であっても物件の家賃であっても需要に左右されるのです。
それで好景気は需要に好影響を与えますが、しかし1つ1つの物件においても需要に好影響を与えているかどうかが重要です。
考慮できるてんとしては
・その物件のあるエリアは入居者需要が旺盛だろうか
・競合物件が多数あって空室が目立っていないだろうか
・物件の間取り設備等は、多くの人に受け入れられるだろうか
・高齢者の入居も受け入れるだろうか
などを考慮しつえで、株価も堅調であるならば、家賃の緩やかな上昇を期待することができるかもしれません。
追記:楽待不動産投資新聞2020/3/22の「【実践大家コラム】コロナショックの影響で不動産価格はどうなる?」の記事によると
リーマンショックは、賃貸住宅管理会社社員として経験しています。
賃貸住宅においても、まずは単身向け賃貸住宅から空室が増えていきました。
当時は、「派遣切り」と言う言葉が流行語になったように、派遣社員が契約を切られました。
そして、会社の社宅として提供されていた部屋も追い出された形です。
景気後退の局面では、単身者が影響を受けやすいと言えると思います。
これにより、大量に1K、ワンルームの部屋が市場に溢れて、家賃の価格破壊が起こり、賃貸経営が成り立たない大家さんが増えていきました。
コロナショックの影響で不動産価格はどうなる?|楽待不動産投資新聞 (rakumachi.jp)
と書かれていて、株価下落→不況→失業者増→社宅の減少→家賃の価格破壊
という循環になることがあるようです。
やはり株価と家賃は、ある程度ですが連動すると言えそうです。