近年は都心部でのテナント賃貸が好調と言われています。
なかにはテナント賃料を上げているところもあるとか。
ということは今後はテナント賃貸をすれば良いということなのでしょうか。
このてんについて結論から言うと
お勧めできない
です。
もちろん交通事情が非常に良好な都心部のテナント賃貸ならば、するだけの価値があるかもしれません。
しかし地方や郊外でのテナントとなると事情は異なります。
例えば大東建託グループの事業用(テナント部屋)の管理戸数についての記載がありましたが、大東建託グループの居住部屋の管理物件は年々増加し、100万戸を超える状況ですが、一方で事業用部屋(テナント)については減少しています。
その状況はなんとなくわかります。
筆者の物件にもテナント部屋がありましたが、空室になると、とにかくなかなか次の入居者が決まらないということがありました。
筆者の所有物件のあるエリアは阪神地区ですが、阪神地区という人口密集エリアでも空きテナントはあちらこちらにあります。
ということは郊外や田舎になると、一層、空きテナントは埋まらないのではないかと思います。
東京の都心部では事業用部屋の需要が高く賃料も値上げしているようですが、大都会の都心部だけが良い状況が見られているだけで、大部分の地区ではテナントは苦戦しているのではないかと思います。
ところで大東建託グループのテナント部屋管理物件数が減少ということですが、管理から外れたテナントはどうなったのでしょうか。
入居の見込みが、ほとんどないということで、住居に改装したのか、それとも管理契約を打ち切られたのか、建物自体が解体になったのかそれはわかりません。
しかし今の時代、テナント物件はよっぽど好立地になければかなり苦戦することを覚悟していたほうがよいのかもしれません。
追伸:以前に大東建託の営業社員とお話することがありましたが、テナント賃貸については、やはり苦戦しているとのことです。その結果、賃料を下げたり、居住用は一括借り上げにしても、テナント部屋は一括借り上げにしていないケースもあるようです。
近年の都心部のオフィス需要について日本経済新聞2019/5/19の「オフィス空室率、過去最低更新 都心5区の4月、1.70%」という記事には
オフィスビル仲介大手の三鬼商事(東京・中央)が9日発表した都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の4月の空室率は1.70%となり、前月比0.08ポイント下がった。月次データの残る2002年1月以来の最低を更新した。4月に完成した大規模な物件はなく、解約の動きも少なかったため、オフィスの需給が一段と逼迫している。
オフィス空室率、過去最低更新 都心5区の4月、1.70%: 日本経済新聞 (nikkei.com)
と書かれています。
最近はテレワークなど自宅や、自宅近くでの勤務も推進されていますが、それでも都心部に人が集中し、都心部で仕事を行うというスタイルはさほど変わっていないようにも思われます。