コロナ時代になって、自宅にいることが多くなったせいか、宅配の新聞の需要は高まっているように感じます。
もちろんニュースはテレビやインターネットでも知ることができますが、しかし新聞の場合は、しばらくは保管しておきたいような記事は、ハサミで切り取って置いておくことができます。
そのためかコロナが流行してからも、宅配の購読者数そのものは、横ばいか微減といったところです。
しかし新聞販売店の経営そのものは、コロナの直撃を受けています。
というのも
でも書きましたように、新聞販売店の収益の柱の1つ、折込チラシが激減したために、収益が激減しているのです。
6月の半ばになり、多少は折込チラシの量も回復してきたようですが。
しかしコロナの直撃を受けていながら、おそらくは多くの新聞販売店はあのコロナ不況対策のための政府の持続化給付金を受け取ることができません。
なぜなのでしょうか。
このてんで持続化給付金の対象要件について経済産業省のウエブサイトには
2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(以下「対象月」という。)が存在すること。
引用:https://www.jizokuka-kyufu.jp/subject/(アクセス日2020/6/16)
と書かれています。
つまりは2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月がなければならないのです。
実際のところ新聞販売店の事業収入はコロナな直撃を受けても、購読者からの収入は底堅いので、折込チラシが激減しても、通常の60~70%の収入は得ているので持続化給付金の
対象にはならない
のです。
しかしコロナ以前から収支の厳しかった新聞販売店では、コロナ直撃で、収支の赤字幅が大きく拡大し、アップアップの状態になっている新聞販売店もあります。
なかには、コロナによる収入の落ち込みをきっかけに、経営から身をひく経営者もあらわれ始めているようです。
ところで新聞販売店の経営者、店長がやめるとどうなるのでしょうか。
そのような場合、その新聞販売店は新聞社の販売局が管理することになります。
「本社管理」とも言われていますが、新聞社の販売局の担当者が、その新聞販売店の業務を管理するのです。
ですから従業員や購読者(顧客)には何ら変化がありません。
変化があるとすれば従業員は、これまでは新聞販売店の店長から給料をもらっていたのが、今後は新聞社の販売局の担当者からもらうことになります。
しかもこれまで非常に割高な給料を得ていないかぎりは、これまでと変わらない給料をもらうことができます。
それにしてもなぜかこの業界では新聞社の販売局は、いつまでも新聞販売店の業務を管理し続けたがりません。
管理しながらも、次の新聞販売店の経営者を探すのです。
そのために場合によれば近隣の新聞販売店の店長に経営をしてもらおうと働きかけることもあります。
またこれを機に、新聞販売店の再編を行うこともあります。
とくに購読者数が減少しつつあるなか、新聞販売店の店舗を減らすことも行われています。
なので上記の写真にもあるような元新聞販売店の店舗だったような店舗をあちらこちらで見かけることがあります。
ところで今回のコロナショックによって体力のある新聞販売店は存続し生き残りますが、コロナ以前から厳しい経営が行われていた店舗の幾らかは、これを機に、新聞販売店業界から姿を消す経営者や店長も少なくないことでしょう。