2015年12月29日の産経新聞には「今年の出版物販売額、落ち込み最大に240万部超 「火花」で書籍健闘も、雑誌の不振深刻」という記事には
今年1年間に国内で出版された書籍と雑誌の販売額が、前年より約5%減の1兆5200億円程度にとどまり、過去最大の落ち込みとなる見通しであることが28日、出版科学研究所(東京)の調べで分かった。
引用:https://www.sankei.com/life/news/151229/lif1512290006-n1.html(アクセス日2019/6/11)
と書かれていました。
平成8年に書籍と雑誌の販売額が2.5兆円だったのが1兆5000億円ぐらいとかなり落ち込んでいるとあります。
つまり出版物不況の根深さが浮き彫りになったかたちです。
ところでなぜ書籍や雑誌が売れなくなったのでしょうか。

紙の出版物離れが進んでいる。
その要因の1つは少子化にあります。
少子化により購買力のある若年、中年層が減少し、高齢者が増える。
高齢者は年とともに目が悪くなると、新聞こそ購読しても読むのに努力がいる書籍や雑誌を読まなくなっていく、結果として出版物販売が落ち込むということが生じるのかもしれません。
もう1つの要因はスマートフォンの普及とあります。確かに今の世の中、わざわざ出版物を買わなくても、スマートフォンやタブレットでも同じ情報を得ることができるようになっています。
いわゆる電子書籍の普及が印刷物を押しやっている感があります。
しかも電子的な方法で読むほうが、リーズナブルだとすると節約志向から印刷物を買わなくなるのかもしれません。
しかも電子版だとスマートフォン、タブレットに書籍、雑誌内容が収まるので、印刷物のように処分する手間が省ける、家の中に保管するスペースも必要でない、そして携帯性に優れているといったメリットがあります。
ところで印刷版のメリットにもふれておきたいと思います。
・書き込みができる。
・迅速に読む記事の変更を行える。ページをめくることが電子版よりも容易。
・電子機器の手触りよりも紙の印刷物の手触りのほうが良いと感じることもある。
・電子版よりも頭に残る。
もちろん書籍や雑誌の印刷版にするか電子版にするかは、メリット、デメリットをよく考えたうえで、どちらにするか選ぶことができると思います。
追記:さらに紙媒体のメリットを取り上げますと
・一覧性の高さがあります。ページを見渡して、どこに何の情報があるかを見つけることができます。新聞や雑誌など、パラパラとめくって全体を見て好きな記事・気になった記事から読むことができます。このてんでは電子版は画面の大きさに限度があり、とても不便です。
・保管性の定着力があります。つまりは書籍や雑誌は物理的に手元に残るのです。なのですぐに読まない場合でも買っておけば後で目を通すことができます。また数年、数十年、それ以上保管することも可能です。正直言って、鉄道の時刻表などは、電子版もありますが、紙媒体のもののほうが、すぐに見つけ出し読みやすいというメリットがあります。
もちろんのこと電子版にも紙媒体にない有利なてんがあります。
例えば情報を速攻的に拡散できる能力は電子版ならではのメリットです。
また情報を修正能力も電子版ならではの有利なてんです。
株式市場や為替レートなどは、明らかに電子版の情報のほうが最新で、有利といえるでしょう。