2016年12月2日のウェブ版日経新聞には、相続増税申告難民の記事が掲載されていました。
つまり以前は相続税の非課税枠が5000万円+1000万円×法定相続人だったのが、今年から3000万円+600万円×法定相続人に変更になり、課税対象になる割合が増えたことによります。
記事では今年対象になり納税するのは推定で20万人(全体の約6%)にあたり昨年より5割増しだそうです。

相続税改正で、相続税の対象になるケースが増えている。
相続税を払うとなると、申告書作成はとても大変なので、税理士さんにお願いするかもしれません。
そうなると相続税だけでなく税理士さんに支払う報酬も負担することになります。
ところで私もマンション物件を相続したわけですが、銀行からの借入金が1億円以上ありましたので、相続税の対象になりませんでした。
今の時代は特に相続税対策のために 不動産賃貸業を勧められることがあります。
たしかに銀行から融資を受けてそうするならば、融資額がそのまま、相続税の基礎控除額にプラスされますので、相続税の非課税枠に収まったり、軽減につながったりすることになります。
この方法は 相続税対策としては即効性のある方法といえます。しかし長い視点でみるならば、絶対的な方法とはいえないと思います。
その理由をあげますと、といのか不動産賃貸で、相続税対策には成功してもアパート経営がジワジワとプレッシャーになることがあります。
具体的には
その1 家賃は最初は高く設定できても通常は家賃は年々下がるものである。
その2 建物の維持管理のための費用は年々高くなる傾向がある。
その3 銀行からの融資は毎月、利息とともに返済していかないといけない。
以上、当然のことといえばそうなのですが、大家は物件が現状のままであるならば、だんだんと利益があがらなくなる(場合によったら赤字になる)事業だということを覚悟する必要があります。
つまり相続税はクリアできたとしても事業としては成長性のない、あるいは利益がだんだんと縮小していく、あまりおもしろくない事業にかかわることになるのです。
もしこの方法での相続税対策を勧められたならば、いずれは不動産を継承する子供などがそれでもよいのかどうか確認してみると良いかもしれません。
追記:相続税の計算についてはウィキペディアにあるとおりです。
相続税の課税価格の合計 - 相続税の基礎控除(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)= 相続税の課税遺産総額
各人ごとの(課税遺産総額 × 法定相続分 × 税率)の総額 × 遺産の分割比率 - 税額控除等 = 各人の相続税額課税価格 税率 控除額
1,000万円以下部下 10% -
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/相続税(アクセス日2019/11/23)
と書かれています。
資産が大きければ大きいほど、相続税が多くかかることがわかります。
もちろんこの計算は複雑なので税理士さんと相談することをお勧めします。